電極を用いる検査

電極は体の中の電気現象を取り出すセンサー

ヒトの体を形作る数多くの細胞はそれぞれが活動するために、細胞の内外でイオンによる電気の流れが起こります。この電気の流れを電圧の変化に変換して記録するために体に取り付けるのが電極です。体の中の電気変化は非常に小さく、また体を包んでいる皮膚は電気を通しにくい(電気抵抗が比較的高い)ので検査の種類によりいろいろな形の電極があります。記録用の電極からは電気を流すということはありません。

心電図

心電図四肢電極の写真 心電図胸部電極の写真

心臓の壁を構成する筋肉の活動による電気変化(活動電位という)を記録するものが心電図です。心電図は比較的大きな電気変化で、通常であれば1~2[mV( = 1/1,000[V])]の電圧が記録できます。検査中に電極が落ちたり動いたりしないように胸につける電極(胸部電極)は吸盤式(写真左)、手足に付ける電極(四肢電極)はクリップ式(写真右)のものを使います。これらの電極は食塩水を含ませたスポンジやガーゼで包んでありますが、皮膚と電極との間を電気的に安定させるためのものです。同じ目的で、皮膚にクリームやゼリーを塗ることもあります。

ホルター心電図》(写真左)・《トレッドミル検査》(写真右)

トレッドミル電極の写真 ホルター電極の写真

どちらも心電図を記録する検査ですが、服を着たまま検査したり、激しく体を動かしながら検査をします。 このため通常の心電図検査用電極では外れてしまいます。そこで、貼り付け式で使い捨ての電極を使います。 シールをはがすと電極に粘着テープと電極ゼリーがすでについていて、心電図電極とまったく同じように心電図が記録できます。 皮膚の電気抵抗を下げて心電図に混入する雑音を少なくするため、電極装着時にアルコールや研磨材の入ったゼリーで皮膚を強くこすります。 このため、電極周囲がピリピリすることがありますが、電気が流れているためではありません。

脳波

皿電極の写真

脳の神経細胞の活動電位を記録したものを脳波といいます。 神経の活動電位は筋肉に比べて小さく、脳は電気抵抗の高い頭蓋骨で覆われているので、脳波は50[μV]( = 50/1,000[mV]= 50/1,000,000[V])程度の電圧で記録されます。 また、電極は頭皮上と耳たぶに着けるため、直径が1[cm]以下のものを使います。 ホルター心電図と同様に、電極装着時にアルコールや研磨材の入ったゼリーで皮膚を強くこすります。 また、電極を頭皮に接着するために導電性の塩分を含んだペーストを使います。 このため、検査開始時に電極をつけたところがピリピリしますが、電気が流れているためではありません。

《各種誘発反応》(視覚誘発電位聴覚脳幹誘発反応体性感覚誘発反応三叉神経誘発電位

各種の刺激を与えて、その刺激に対する脳波の反応を記録する検査です。 脳波と同じ電極を同様な方法で頭皮上に接着します。 各種の刺激に対する反応がいちばんよく記録できる部位のみに電極を取り付けます。

針電極の写真

筋電図

筋肉の活動電位を詳しく調べるため、筋肉の中に電極を差し込んで検査します。 このため、注射針と同じような形をした針電極を使います。

表面筋電図の場合は、脳波と同じ電極を同様な方法で接着します。